Technology
半世紀以上にわたって音声・音響の研究を続けてきたNTT。
nwmプロダクトのコア技術であるPSZ技術は、数々の音響技術を世に送り出してきたNTTのエンジニアたちによって開発されました。デジタルコンテンツが浸透し、個人を取り巻く音環境も多様化する中で、聴きたい音・聴きたくない音、周囲には聴かせたくない音を個人個人が自在にコントロールできる個別音響空間(Personalized Sound Zone)に将来性を見出したのが開発の原点です。
オープンだけど音を閉じ込める。
究極の矛盾を両立させるPSZ技術とは
耳を塞がずに耳元のみに音を閉じ込める技術です。ある音の波形にプラスとマイナスを反転した波形(逆相)を当てると、波同士が打ち消し合って音が消えるという原理を応用しています。通常の音響デバイスは音をより遠くに届けるため、スピーカーユニットをボックスに収納し、スピーカー背面から出る逆相による干渉を防ぎますが、PSZ技術はこの逆相を活用するという逆転の発想から生まれた技術です。耳元付近の360度に音を閉じ込めて音漏れを最小限に抑えるため、いわゆる指向性スピーカーではありません。耳元に密着させる骨伝導のような振動や圧迫もなく、ストレスフリーで聴き続けられます。
イヤホン化への道のり
最小限の音漏れと音圧・音質のバランス
何百回にも及んだカット&トライ
PSZ技術をイヤホンに搭載するため、まずはスピーカーユニットを削減し、極小化。
そこから音漏れを最小限に抑えた音響デバイスとして成立させるために、耳に入る音圧を稼ぎつつ、音質を保つという課題に挑みました。
音を打ち消すために背面から出る逆相を活用するという前代未聞の発想故に製品化も難しく、正相、逆相を出すポート(穴)の配置やサイズ、エンクロージャー内のキャビティ(空間・容積)といった音質に影響する各構造のバランスを定めるシミュレーションやハードウェア改良は何百回にも及びました。高度な音響設計技術を有したソノリティエンジニアたちのクラフトマンシップによって結実したプロダクトです。